| 実をつけるためには [基礎知識へ] |
| 人工受粉 |
放っておいて実がなれば良いけれど確実に実をつけたい、そのままでは実がつかないなどの理由で人工的に受粉すること、それが人工受粉です。(花粉を授けるので「授粉」の字が正しいようですが、このサイトでは「授粉」と「受粉」の使い分けはしていません) 花には雌しべと雄しべがあります。雄しべの花粉を雌しべにつければ受粉完了。 筆や綿棒、毛はたきなどやわらかくめしべを傷つけないものを工夫して使います。
花と言うと、ひとつの花に雌しべも雄しべもそなえたものを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、種類によっては雌しべだけの花(雌花)や雄しべだけの花(雄花)をつけるものもあります。さらに雌花と雄花が同じ株につくもの、別な株につくものなど植物の性表現は多様です。雌花はやがて実をつけますが、そのためには受粉が必要です(例外もあります)。
自家不和合性、他家不和合性など、実をつけるには他品種の花粉が必要な場合がありますが、人工受粉では、品種交配が確実に行える、花粉が保管できれば時期をずらしての受粉も可能などの利点があります。(梅の花粉は乾燥させて−20℃で保存すると10年間利用可能と言われている。)欠点は手間がかかることくらいか。
花粉は少量でよければおしべのある花が咲くのを待って人工受粉を行います。 しかし、多量に必要なときは花粉だけをあらかじめ用意します。 1・開花寸前の風船のように膨らんだ蕾をとる 2・紙の上におしべの先端の葯(花粉が入った袋)を集める 3・風などで飛ばされないように注意しつつ、15〜20℃の室内で1日くらい保管 4・葯が開いて花粉が出てきていれば花粉の用意は完了です。 5・「ばれいしょでんぷん」などで薄めて使うこともあるようですが、水を含むと団子になって受粉効率が下がってしまうので注意
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自家受粉 (←→他家受粉) |
ある植物の花粉がその同一個体上の雌しべにつく(受粉する)ことを自家受粉と言います。一方、別個体の花粉で受粉することを他家受粉と呼びます。
果樹ではさし木で増やす(遺伝的に全く同じ性質、クローン)ことも多く見られます。この場合、「別固体」であっても「同一品種」による受粉は自家受粉と同等とみなされるため、自家不和合性の品種では必ず「別の品種」を用意するようにします。
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| 自家結実率 |
その植物の自家受粉による結実の割合。「自家結実率が高い」とは、受粉樹がなくとも実がなりやすいということ。
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自家不和合性 (交雑不和合性、交配不和合性)
←→自家親和性(交配親和性) |
花粉や雌しべの機能に異常はないものの、生理的な原因から受精が行われないものを「不和合性、不親和性である」と言います。逆に問題なく受精が行われる場合は「親和性がある」と言います。
不和合性のうち、自家受粉におけるものを自家不和合性と呼びます。 それに対して異株間または特定の系統間における不和合性を他家不和合性(または交雑(配)不和合性)と呼びます。
自家(交雑)不和合性の品種に実をつけるには、受粉のために別の品種(受粉樹)を用意する必要があります。特に交雑不和合性の品種ではその組み合わせに注意が必要です。
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| 受粉樹 |
ある植物に受粉させる目的で用いる木を受粉樹と呼びます。花粉の出が良い、受粉相手の品種と開花時期が重なるものが適します。受粉相手の木の近くに植えるか、鉢植えにして人工受粉用に花粉を保存しておくなどします。
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| ジベレリン |
ある構造を持った物質の総称で、植物ホルモンの一種。難しいことは置いておいて、種なしブドウを作るのに使われる薬品として有名。園芸店などで入手できる、ハズ。ビックリグミの実をつけるのに使ったり、種無しブドウをつくるのに使ったりします。
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| 摘蕾・摘花・摘果 |
果実がなりすぎると栄養分が不足します。そのためあまりいい実がとれなかったり、翌年の実つきが悪くなったりします。場合によっては樹勢が弱まり、枯れることもあります。 これを防ぐには、実が成熟する前に間引く必要があります。
この間引きの時期によって、蕾(つぼみ)や花を間引く「摘蕾(てきらい)」(摘花)、若い実を摘む「摘果(てきか)」と呼び分けます。
早い時期に間引きした方が養分を効率よく使わせることができますが、まだ小さい実が自然に落ちてしまう「生理落果」もあります。生理落果の多い品種では、何度かに分けて間引きするのが良いでしょう。
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| 生理落果 |
何らかの理由で果実の成長が止まり、自然に実が落ちてしまうこと。 受精が不完全だった時などは早い時期に落果がおこる(早期落果)。 果実同士や枝葉との養分の競合が原因の場合は果実の成熟期にかけて落果がおこる(収穫期前落果)。 これを防ぐには、せん定によって日当たりの十分な葉群を確保する、摘蕾・摘果によって実をつけすぎないなどの方法がある。
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| 隔年結果 |
果実をつけすぎると翌年は実がつかないことがある。1年おきに実がつく現象を隔年結果と呼ぶ。 隔年結果しやすい品種では、実をつけすぎないように摘果などしてやると翌年の実つきも改善されます。
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| 単為結果 |
受精をしなくても果実が形成・肥大することを単為結果と呼びます。受精せずにできるので果実はタネを含まないことが多い。
柑橘類に多く見られる他、ジベレリンを処理することによってタネなしブドウをつくるのも人為的な単為結果です。
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| 不完全花 |
受精能力のない花。本来はめしべが発達するはずの花で、栄養状態の悪化などによってめしべや花弁などに異常をきたした花。 めしべが全くない、あっても極端に短い、子房の発達が悪いなど症状は様々。 受粉・受精がうまくいかず、実がつかない。
花芽分化後の栄養不足や凍害が原因であるといわれている。
不完全花に対し、正常な受精能力のある花を完全花とよぶこともある。
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| せん定について [基礎知識へ] |
| 葉芽 |
芽のうち将来葉・若枝になる芽。 |
| 花芽 |
芽のうち将来花になる芽。 一般に花芽は葉芽に比べて太く丸いので,外見で葉芽と区別できる場合が多い。 花芽のつく位置は樹種によって異なり、そのため花芽を落としてしまわぬように、せん定位置も樹種によって異なる。
花芽はまた、その年に花が咲く芽(花だけがつく芽、純正花芽)と、そこから伸びた枝に翌年花がつくような芽(枝葉と花が一緒につく芽、混合花芽)とに大別される。 純正花芽:ブルーベリー、ウメ、モモなど 混合花芽:カキ、ミカン、ナシ、リンゴなど
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| 間引き剪定 |
枝を間引く(枝の付け根から切り落とす)ことで残りの枝の日当たり・風通しを良くし、強く丈夫に育てます。芽を残さないので、ここから再び枝が伸びることはなく、その分残った枝に養分をまわすことができます。
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| 切り戻し剪定 |
枝の付け根からではなく先端部分だけを切ることで新しい枝の発生・成長を促します。 また、先端の若い枝にだけ実がつく品種では、果実がつく部分(結果部位)が枝の成長とともに外へ外へと逃げていくため、切り戻して幹の近くへ結果部位を呼び戻すこともあります。
切りとる枝の長さが長いほど「強い」剪定であるといいます。
勢いの強い樹では、強く剪定すると反発して徒長枝になりやすいので、弱い剪定にとどめます。逆に樹勢の弱い(新しい枝の伸びが少ない)樹では強く剪定して、枝の伸長を促します。
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| 徒長枝 |
徒に長い枝。長く伸びすぎた枝は樹形を乱したり、他の枝にまわるはずの養分のバランスを崩したりするので、間引かれることが多い。 しかし、発育がよいので適当な長さに切って、翌年以降実をつける枝として活用することもある。
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| 施肥について |
| 施肥 |
肥料を施すこと。 樹が土壌から吸収する養分を補う目的で行います。土壌が十分に肥沃であれば、必要ないのですが、果樹は長年同じ場所で育てられるため窒素などが不足しがちです。健全な生育を続けるためにはこれを補ってやる必要があるわけです。
施肥は、年間に必要な分量を一度に与えてしまうと、周辺への肥料分の流出が多くなったり、窒素過多などによる悪影響が出るため数回に分けて行われることがほとんどです。ただし、全体の施肥量が少ない場合は元肥1回だけですませることもあるようです。
果実の肥大期に窒素が多すぎると、本来この時期落ち着いてくるはずの枝葉の成長が優先され、果実の質が低下したり、実がつかなかったりすることがあり注意が必要です。
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| 元肥 |
年内に数度に分けて施される肥料のうち、生育期に先立って(休眠期中に)施されるものを元肥と呼びます。
落葉樹では春の発芽期(初期の成長)に効き目があらわれるように、冬から春にかけて施されることが多いようですが、降雪などの気象条件によって適期は異なります。 春(2〜3月)に施す場合は、化成肥料など即効性のものを用いて初期の成長に間に合わせます。
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| 追肥 |
年内に数度に分けて施される肥料のうち、元肥の後、その補佐的に施される肥料を追肥と呼びます。
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| 礼肥 |
施肥のうち、特に果実成熟後の樹体の回復を目的として行われるものを礼肥と呼びます。
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| 春肥・秋肥・冬肥 |
施肥の季節によって呼び分けるときにこれらの語を用いることもあるようです。 秋に収穫する果樹では、冬肥・春肥が元肥、秋肥が礼肥にあたります。
夏肥を施し、果実肥大を促すこともありますが、かえって枝葉の成長が盛んになり果実の品質が落ちることもあります。一般に、よほど樹が弱っているとき以外は、夏肥は控えたほうが良いようです。
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